【警鐘】派遣の満足度が正社員超え?「4万人に1人」のアンケートが隠す、中高年派遣への残酷な仕掛け

誰が満足してるって? 働き方・キャリア

派遣は自由で満足度が高い」そんなキラキラニュースが流れてきました。

50代現役派遣社員として日々「年齢の壁」や「3年ルールの恐怖」と戦っている私は、思わずコーヒーを吹き出しそうになりました。

働き方の満足度、正社員よりも契約・パート・派遣で高い傾向 - 給与よりも大事なこととは?|Infoseekニュース
旭化成アミダスと未知は1月23日、「働き方の満足度」に関する実態調査の結果を発表した。調査は2025年11月28日

今回は、このキラキラした調査結果の裏側に隠された「統計の魔法」と「大人の事情」を、ボヤキ全開でツッコミたいと思います。

驚愕の「n数」:それはもはや「世論」ではなく「お隣さん」の声

まず、この調査の正体を見てみましょう。対象人数は「男女400人」。 ……ん? 400人?

このアンケートの詳細な内訳人数は出ていませんが、

男女400人(うち正社員41.0%、無職8.5%)を対象にインターネットで行われた。

マイナビニュース

記事から推察すると、残りの50.5%の中には、「契約社員」、「派遣社員」、「パート・アルバイト」、「フリーランス」が含まれているようです。
これらの4種の働き方を少し乱暴ですが単純に4等分すると、派遣社員の回答者はおそらく40〜50人程度

総務省がまとめている「労働者派遣事業の令和6年6月1日現在の状況(速報)」のデータを見ると、派遣労働者数は約191万人。

参考資料:「総務省統計局:労働力調査

つまりこのアンケートで回答した「派遣社員」は、約191万人中、約40~50人。
だいたい4万分の1(笑)・・・これ、誤差の範囲じゃないの?

そして派遣社員の年代別ボリュームゾーンは45歳~54歳が約45万人でここが最多。「年齢の壁」や「3年ルール」という地獄が始まる年代です。

【見える化】191万人のリアル vs 40人のファンタジー

政府統計と今回の調査を比較すると、いかに「おっさん派遣」の存在が消されているかがわかります。

日本の派遣社員の「真実」と「記事」の乖離

項目日本のリアル
(総務省令和6年)
今回の調査記事ツッコミポイント
全体数約1,910,000人400人
(派遣は約40~50人)
0.002%の意見が「総意」?
最大勢力45〜54歳
(約45万人)
年代比率不明50代の焦燥感は無視。
満足度給与・雇用の不安定さが課題「柔軟さ」を理由に満足と断定「クビ」を「柔軟」と呼ぶ。
3年ルール実質的な「解雇予告」記述なしタイムリミットの絶望はどこへ?
ハチロク
ハチロク

全国に45万人以上いる「45〜54歳の派遣社員」のうち、今回の調査(全体400人、派遣はおそらく数十人)で、同年代が何人回答しているでしょうか?

おそらく数人〜10人程度です。その数人の「まあ満足」という回答をもって、「派遣は正社員より満足度が高い」と結論づけるのは、統計学的に見て失笑レベルの暴挙です。

満足度の正体は「消去法」? 3年ルールという時限爆弾

記事では「柔軟な働き方が満足の理由」とされています。 いやいや、ちょっと待て。私ら中高年派遣が直面しているのは、そんな優雅なものじゃありません。

  • 「3年ルール」という解雇宣告: 3年経ったら強制退職。50代で放り出されたら次があるか分からない。
  • 年齢の壁: 応募しても面接すら辿り着けない現実。

この状況での「満足」って、「今の職場を追い出されたら次がないから、とりあえず今のままでいさせて(泣)」という切実な現状維持ではないでしょうか? それを「柔軟で自律的な働き方最高♪」と翻訳しちゃうのは、かなりのポジティブ変換能力です。

(※そもそも3年ルールって何?という方は、こちらの記事でその「地獄の仕組み」を詳しく解説しています。)


【深掘り】誰がこの「満足度」でニヤリと笑うのか?

このリードがもたらす「裏の利益」を邪推してみましょう。(あくまで想像ですよ!)

その1:政府の「目くらまし」作戦 「非正規の人も満足してるみたいだし、格差問題とかそんなに騒がなくていいよね?」という空気が作れれば、政策的には万々歳です。

その2:人材業界の「リスキリング商法」への誘導 「満足してるけど不安でしょ? だからリスキリング(学び直し)しなよ!」と、不安を煽って講座を売る。マッチポンプの香りがプンプンします。

その3:企業の「賃上げ回避」の言い訳 「ほら、みんなお金(給与)より柔軟さが大事って言ってるよ。だから賃上げしなくていいよね?」という便利な盾になります。

その4:3年ルールの「罪悪感カット」「3年で契約終了しても、本人は柔軟な働き方に満足してるからOK」という、企業の首切りに対する免罪符になります。

まさに、「不都合な真実(格差や不安定)」を「キラキラした満足度」というベールで隠す、大人のマジックに見えてきませんか?

【本音】50代派遣、残り90日の現場からお届け

実は私自身、いま、派遣の「3年ルール」という名の時限爆弾が爆発するまで、残り3ヶ月を切っています。

日々、猛烈に焦っていますよ(笑)。 求人サイトを血眼でチェックし、年齢で弾かれる現実に溜息をつき、エージェントからの「紹介できる案件がありません」というメールに震える毎日。

この記事を書いた人に聞きたい。

ハチロク
ハチロク

あと90日で職を失うかもしれない50代のおっさんに、『満足度を教えてください』とマイクを向けられますか?

と。満足度はマイナス100%に振り切れますよ。

柔軟な働き方が満足? この焦燥感は「柔軟」なんて生易しいもんじゃありません。「生存」をかけた全力疾走です。

もし、今回のアンケートに私のような「カウントダウン組」が数人混ざっていたら、満足度のグラフは一瞬で「不安度100%」に振り切れていたはず。

結局、この手の調査は「たまたま今、追い詰められていない幸運な人たち」の声を拾い集めただけの、切り取り写真に過ぎないのです。

仕事に何を求めるかは人それぞれ。責任を負わずに定時で帰る「クールな派遣スタイル」も否定しません。でも、それを「派遣社員全体の総意」のようにまとめ上げるのは、あまりにも現場の苦労を軽視しています。

僕ら50代派遣は、数字の操作で満足させられるほどおめでたくはありません。

次に似たようなニュースを見かけたら、まずは「n数(回答者数)」を確認してニヤリと笑ってやりましょう。


数字の「マジック」に騙されないために

読者の皆さん、●%という数字は、分母が小さければ小さいほど「嘘をつきやすく」なります。

  • 「満足度が高い」=「不満を言えない環境に慣らされた」
  • 「柔軟な働き方」=「いつでも切れる便利な駒」

メディアが流すきれいな数字の裏にある、僕らおっさん派遣の泥臭い焦りこそが、この国の労働市場の真実です。

50代派遣の厳しい現実は、今回お話ししたことだけではありません。

面接すら辿り着けない壁、現場での扱い……これまでの私の「戦いの記録」は、こちらのまとめページにすべて置いてあります。

【最後に……】

書き終えて、ふと気づいちゃいました。

この記事を公開したことで、マイナビと旭化成アミダスからの仕事紹介メールがパタリと止まる気がしています(笑)

50代、背水の陣。

でも、嘘をついて生きるより、こっちの方がよほど満足度高いんで、ヨシ!

数字の嘘に騙されるのはもう終わり。3年ルールの時限爆弾を抱えたまま、私は笑ってキーボードを叩くことにした。

その理由は、明日の記事で明かそう。

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