中高年完全失業者のための一歩~派遣社員という選択

仕事のこと

中高年での転職や再就職は挑戦的で、スキルや経験の不足(全くの未経験な職種の場合)がハードルとなることがありますが、絶望する必要はありません。
この記事では、中高年がスキルや経験不足を克服し、新たなキャリアへの転職・再就職を実現する方法について探ります。

記事のタイトル通り、「完全失業者」のための第一歩という内容です。
これは私自身、仕事を辞めアルバイトや短期の仕事で食い繋ぐ「ほぼ失業状態」から派遣社員として働くことが出来るようになったいう経験談です。

世間でいう「キャリアアップ」とか「ヘッドハンティング」とかそんな高次元の職探しの内容ではありませんのでご注意ください。

いつだってスタートは切れる

総務省統計局の資料によると2022年度の完全失業者数は179万人。そのうち45歳~64歳の年代が66万人と3割以上を占めています。

東京ドームの収容人数は55,000人です。東京ドーム12個分の満員御礼お客さんがみんな失業者。
見わたす限り観客で埋まっている満員御礼の東京ドームが12個。その中の自分は特別でしょうか?干し草の中の針みたいなものです。

仕事に就けないことで自分を卑下したり自信を無くすことは決してありません。

スキル・経験不足を克服する方法

私が最後に正社員として勤めていたのがタクシードライバーです。その前は長年、自営業でした。
なので一般的な会社務め(ドライバー以外)の経験は皆無。年齢は50を超えています。
そんな私が目指したのがパソコンを使った仕事でした。

タクシードライバーで培った経験とスキルと言ったら都内の大まかな地理と、渋滞時にお客さんをイライラさせないコミュニケーション能力(笑)、酔っぱらって起きないお客さんを起こす方法などなど・・・・・・・。

Massimo Adelmo Mattia AbadによるPixabayからの画像

オフィスワークに直結するスキルではありませんよね。
頭の固い私はこれまで自分が経験してきた「仕事」に関するスキルを活かすことしか考えていなかったので、当初はオフィスワークなんて到底無理だと諦めていました。

また年齢的にも正社員の道はほぼ閉ざされていると今でも考えています。
だって定年まで10年そこそこですよ。若い社員を雇ってしっかりと教育にお金をかけて長く働いてもらおうという企業が、50オーバーの未経験者を一から育てるとは考えにくいからです。

そんな理由から未知の世界「非正規雇用・派遣社員」という道を選択しましたが、初めはドライバーや外で稼ぐ仕事を中心に探していました。

趣味や関心を活かす

頭を切り替えてみます。
中には「無趣味」な方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の「趣味」や「関心事」に目を向けてみましょう。

私の場合、活字が好きで家には1000冊ちかい本があります。ジャンルは様々で、ハードボイルド小説や冒険小説からコミックまで幅広く読みます。そんな趣味があるからか?誤字脱字や文章の校正など、多くの人が気づかないことも真っ先に気づいたりもします。

自分で小説を書いたりもするのでブラインドタッチが得意になり、平均より少し速く正確に文字入力ができます。

有名なe-typingの「腕試しレベルチェック」。

この腕試しの結果を画像で提出するという派遣会社があり、その時提出した結果です。
登録会に行ったらその場でノートPCでこのチェックをやらされた派遣会社もありました。


何日でも家に閉じこもってパソコンに向かっていられる性分なので、長時間パソコンで作業をすることはまったく苦になりません。

そんな自分の趣味や関心、得意とすることから

正確に速くひたすらデータを入力する

という仕事は自分に向いているのではないか?と考えるようになりました。


自分が得意とすること、興味を持てることを前提とした職に就けるということは「根っこの部分が自分に合っている」と言うことになります。

働き始めたら、収入面や勤務時間、満員電車での通勤、職場での人間関係など色々な不満も出てくるかもしれませんが、そもそも働きたいと思える仕事に就けたのであれば他の要因は些細なことと割り切ることもできます。

どうしてもストレスが溜まる要因が出てきたらその時はまた新たな道を探せばいいのです。

最初の派遣の仕事は運よく「データ入力」の仕事に就くことができました。ただ、この仕事は「運」と「タイミング」で就けたようなものでした。
派遣会社に初めて登録した時期がちょうどその業務が始まるタイミングだったこと、大量募集だったことがその理由です。

オンライン学習の利用

2カ月後にデータ入力の派遣先が「業務終了」となることを知らされてから、「派遣(非正規雇用)にはこういう落とし穴があるんだ」と知った呑気な私は、慌てて次の職探しに奔走し始めました。

さすがにデータ入力のスキル(ブラインドタッチが出来て正確に速く入力できる)しか持ち合わせていないと、年齢やこれまでの経験でなかなか仕事が見つからないのは目に見えています。

そこで私が活用したのが「リクルートスタッフィング」の「Eラーニング:ELAN(エラン)」です。

TumisuによるPixabayからの画像

ELANではExcelやWordなどのオンライン講習を無料で受けることができますが、このサービスを使うためには「リクルートスタッフィング」に登録する必要があります。

登録はもちろん無料ですし、派遣の仕事を探すなら登録しておいて損はありません。
ただし、あくまでも私見ですがリクルートスタッフィングで募集している仕事は、未経験中高年にはレベルが高い・・・・・・。

派遣会社にはそれぞれ特徴があるので見極めが大切です。その辺りは別の記事で詳しく書こうと思います。

ELANの受講を受けると自分の登録情報の資格・スキルの所にある「研修」の項目にチェックを入れられるようになります。

例えばELANのExcel講習で「VLOOKUP関数の利用」という講習を受けると「VLOOKUP関数の利用」の研修済みのチェックを選択できます。

自分のまっさらなオフィススキルがレベル1に上がった、そんな喜びもありますし応募した企業は登録情報を確認するのでスキルを身につけるほどに採用の確率は少しずつ上がっていきます。

ELANの講習はZOOMで開催されるので、ZOOMを利用できる環境を準備しておかないといけません。

友人や家族のサポートと求人探し

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

コネや人脈がある人は大いに活用したらいいと思います。
私は残念ながらコネも人脈も友人も何一つ持ち合わせていませんでした。

家庭をお持ちの方はご家族の協力や理解が不可欠かと思います。独身の私よりもはるかにハードルが高いかもしれませんが、周りを味方につけておかないと余計なプレッシャーやストレスを感じてしまうと思いますので、どうか頑張って欲しい。

生き方という大きな括りになってしまいますが、

自分が自分の生き方に満足していないと周りに目を向ける余裕が生まれない。

つい最近、ようやくそのことに気づきかけた私ですが・・・、このブログのタイトルを「再出発」としたのは仕事以外の意味も含めてのこと。今は自分の変化を楽しんでいます。

派遣社員で働き始めた時に、派遣先の「派遣のベテラン」の方たち(と言っても皆さん自分より年下でしたが)に懇意にしてもらい、派遣社員という働き方や次の仕事探しに向けての有用な情報など、色々と教えてもらうことができました。

例えば、派遣会社の〇〇は事務系に強いが専門知識が無いと厳しいとか、▲▲派遣会社は釣り広告だけだから応募しても時間の無駄など、生の情報を得ることができたのは大きかったです。

この辺りもおいおい記事にして皆さんに有用な情報をお届けする予定です。

その時一緒に働いていた一人とは、職場が別々になっても連絡を取り合っています。
私にしては珍しいことですが、そういった自分の気持ちや生き方の変化もこのブログでお届けしたい内容の一つです。

自身の強みを活かす

自分の長所、得意なことを書き出してみます。それは他人から見たら短所であっても構いません。

私はタクシードライバーとして約10年働きましたが一度もお客さんからクレームをもらったことがありません。
ちょっとしたことでもクレームを入れてくることで有名な神経質なお客さんから、「完璧な対応でした」と逆にお褒めの言葉を会社宛てに頂いたこともあります。

その時その場で相手が何を望んでいるのか感じ取るのが得意なんだと思います。
それは子供の頃から親の顔色を伺って生きて来たという短所でもあり、今の筋金入りのメンヘラ気質に繋がり男女関係はことごとく失敗しています(笑)

仕事上での人間関係なら長所にもなりますが、私生活ではまったくダメな・・・、いや自分を否定するのは良くないですね。その辺は今後の課題として・・・・・・・。

独りでモクモクと働くのは苦にならないですし、大勢の中で働くのも踏み込み過ぎなければうまくこなしていく自信はあります。年の功でしょうね。
この辺りは20代、30代の若い方たちより中高年の我々の方が有利な点です。

まったくの嘘をアピールすることはもちろんダメですが、自分が長所だと思うことは堂々とアピールするべきです。

面接にこぎつけたら勝負しましょう

データ入力の仕事が終わってしまったあと、正確にいうと「終るとわかった2カ月前」から死に物狂いで派遣の仕事に応募しました。

正確な数はわかりませんが少なくても30社以上は応募したと思います。
そんな中で面接までたどり着いたのがたったの1社。今、私は面接をして頂いたその会社で働かせてもらっています。

面接はオンラインでした。相手の顔は見えず、こちらの顔は相手には見える状態です。余計に緊張しますよね。


上述のELANのところで出てきた「VLOOKUP関数の利用」は、この会社の応募条件に「VLOOKUP関数が使えること」とあったのでオンライン講習で選んだ科目でした。

面接で案の定「VLOOKUP関数を使えますか?」と聞かれたので、

先週オンライン講習で学んで理解しました」と答えると画面の向こうで暫く沈黙が続いてしまいました。面接者の顔はこちらからは見られないのでどういった沈黙かは想像できません。

他にも、「もくもくと一人で仕事をするのと、大勢の中で仕事をするのとどちらが得意ですか?」と聞かれたので

どちらも得意です!」と簡潔に答えました。これはたまたま私の長所(自分で考える)だったので自信を持って言いきりました。

面接者の反応はと言うと・・・「簡潔な回答ありがとうございます」でした(笑)

何がどう好意的に取られたのか今となっては判りませんが、こんな面接で私は採用して頂くことができました。

後日談になりますが働き始めて間もない頃、面接をして頂いた方からこんな事を言われました。

「Excelに関しては分からない事があったらネットで調べるなりして使えるレベルであれば大丈夫だから」

ええっ?と思いました。そんなに真面目に考えていなくても良かったのかも知れませんけど、私の性格上『備えあれば憂いなし』なので結果オーライと前向きに捉えておきました。

臆することなくチャレンジすること

中高年でスキルや経験が限られていても、新しいキャリアへの一歩を踏み出すことはできます。

自分を否定しないこと、自分に自信を持つ事。

これは私にはとても難しいことでした。
今でも日々悩みながら生きています。

ただ、転職・再就職という一歩が踏み出せたことで自分に自信が持てたことは確かです。
そして仕事だけではなく残りの人生で本当に自分がやりたかった生き方に向かって進んでいく気持ちにもなれました。

まず一歩。踏み出してみませんか?

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