第2回:派遣社員目線で考える「3年ルール」【2025年版】

3年後の不安に悩む派遣社員 働き方・キャリア

派遣社員として働き続けると、避けて通れない制度があります。
それが「3年ルール」。

このルール、いったいなんのためにあるのだろうか?

調べてみると「雇用安定のため」と言われていることがわかりましたが、どうもしっくりこない。

その理由は、派遣社員目線で説明されている情報が見当たらないからでした。

この記事では派遣社員の私目線で見た3年ルールについてまとめてあります。


1. 3年ルールとは?

派遣社員目線で言うと、「3年ルール」は、雇用の安定よりも不安の方が大きい制度です。

そもそも3年ルールとは、労働者派遣法で定められた仕組みで、同じ派遣先の同じ部署では最長3年しか働けないという制限のことです。


目的は「派遣社員の雇用安定・キャリアアップ」とされていますが、実際には「3年ごとに職を失うリスク」が先に立ちます。

  • 更新を続けても、3年で契約終了になる可能性が高い
  • 正社員登用や無期雇用派遣への転換は”努力義務”であり保証ではない
  • 中高年派遣社員にとっては「仕事を続けたいのに切られる」という現実的な不安が大きい

3年ルールの建前と現実

  • 【建前】派遣先は正社員や契約社員への登用を努力する義務がある
  • 【現実】「努力義務」であり強制ではなく、必ず登用される保証はない

結果として「雇用安定」というより「契約終了の期限が明確化されただけ」という印象を持つ派遣社員が多いのが実情です。

3年ルールの抜け道と例外

抜け道ルールで再契約

無期雇用派遣(常用雇用型派遣)

派遣には、「登録型派遣」と「常用雇用型派遣」があります。ややこしくなってきました。

私が今働いている働き方は「登録型派遣」の方です。

派遣会社に登録し、派遣先が決まったら派遣会社と雇用契約を結んで紹介された派遣先企業で働き、派遣期間が終了したら派遣会社との契約も終了です。当然、次の派遣先が見つかるまでは無職状態で収入はありません。

常用雇用型派遣」は、簡単にいうと派遣会社の社員として働くということみたいです。

と言っても、派遣会社の中で働くわけではなく、派遣先企業に派遣されて働きます。派遣先が見つからない場合でも給与は出ますし、派遣会社の中で待機や勤務を行うこともあるようです。

派遣会社と直接無期契約(常用雇用型派遣を結べば3年制限はなくなる。ただし採用試験や条件がある。

部署を変える

派遣先企業では、同一事業所の別の部署や課での就業であれば、新たに3年間の上限まで派遣社員を受け入れることができます。
これは暗黙の了解のようでもう当たり前のように色んなところで書かれています。

派遣法では、部署の定義について明確な基準を示していません。そのため、派遣先企業が部署を細分化したり、名称を変更したりして、派遣社員を三年以上働かせることを可能にすることがあります。

同じ事業所でも部署を変更すれば、新たに3年働ける。ただし仕事内容が変わるリスクも大きい。

60歳以上は対象外

60歳以上の派遣社員の方は、3年ルールの期間制限の対象外です。
同じ派遣先の同じ部署であっても、3年を超えて継続して派遣社員として働くことができます。

3年間の間に60歳になればオッケーで、例えば58歳で新しい派遣先で働き始めると3年後には61歳になります。この場合は3年を超えて働けるという期間制限対象外に該当します。

60歳以上の派遣社員は、3年を超えて同じ部署で働き続けられる。中高年にとっては、ここだけは少し救い。


他にも同一プロジェクトに関わっている場合とか、いくつか細かいルール適用外はあるようですが、基本的には上の3つが適用外です。


中高年派遣社員の目線で考える

若い人にとっては「3年ごとに新しいチャンス」「正社員登用の可能性」があるかもしれない。
でも中高年にとっては「せっかく見つけた仕事を続けたいのに、期限で切られる」不安の方が大きいです。

私にはこんな苦い過去が・・・・・・。

【50代・転職50連敗】心が折れかけたとき、今の会社が拾ってくれた

無理やりポジティブに考えた唯一のメリットは、

  • 3年という期限があるから逆算して準備できること
  • 次のキャリアやスキルアップを強制的に考えさせられること

自信を持って臨む会社員

3年ルールを前向きに活かすために、わたしは以下のことを心がけています。

✅3年を目途にスキルアップや資格取得を進める

✅派遣先での人間関係を築き、評価を得ておく

✅複数の派遣会社に登録しておき、次の派遣先候補を確保しておく

私がMOS365Excelエキスパート資格を取ったのも、少しでも次の契約に有利に働いてくれたらという思いもありました。

私の学習方法まとめはこちら、これからMOSExcelを受験される方の参考になれば嬉しいです。

5. 私の結論(2025年時点)

「3年ルール」は派遣社員にとって必ずしも安心につながる制度ではありません。


しかし、避けられない制度だからこそ、「3年」を逆算のチャンスと捉えてキャリアや生活の準備を進めるしかありません。

派遣社員として働きながら、次の一歩を考える。
それが、3年ルールに振り回されずに働き続けるための現実的な対策だと考えます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました