MOS Excel 365 エキスパート試験の独学もいよいよ第6週目。本番試験まで2か月を切り、少しずつ緊張感も高まってきました。
今回は関数が一切登場しない章でしたが、「業務に役立つ内容が盛りだくさん」という嬉しい驚きがありました。 特に、前任者たちが作り上げた複雑なExcelシートで毎日直面する「謎のエラー表示」。
見慣れた緑の三角や「#N/A」に頭を抱える日々…まさに、そんな悩みを解決する「トラブルシューティング」の極意を学べた一週間でした。
本記事では、Excelで頻繁に出現するVLOOKUP関数の「#N/A」エラーを事例に、その原因特定から解決までの具体的なステップを解説します。さらに、#N/Aエラーの意外な「呼び方の謎」に迫るコラムも息抜きに書いてみました。
この学習を通じて得られた「エラー解決力」が、今後のExcel業務にきっと役立ちます。
先週の記録はこちら
MOS Excel エキスパート独学記 #5 | Excelの関数名が覚えられない！難解な略称の解読と攻略法
📅 学習期間：6月16日〜6月22日
🎯 今週の目標：出題範囲3-5「数式のトラブルシューティングを行う」をマスターする
📊 1週間の学習記録（3-5「数式のトラブルシューティングを行う」）
| 日付 | 内容 | 所要時間 | メモ・感想 |
| 6/16(月) | 先週の範囲を復習 | 30分 | ・ブログにアウトプットしたおかげで関数はばっちりだった |
| 6/17(火) | 数式の参照元や参照先をトレースできる | 30分 | ・参照元と参照先がまたこれ覚えづらい(笑) |
| 6/18(水) | ウォッチウィンドウを利用できる | 30分 | ・業務でいくつものExcelを開いているのでこれは使いどころがありそうかも |
| 6/19(木) | 数式のエラーをチェックし、対処できる | 60分 | ・これは・・・日々見ているエラーばかり！しっかり勉強する |
| 6/20(金) | エラーチェックルールを設定できる | 60分 | ・範囲が少なかったので昨日の復習も兼ねて長めに学習 |
| 6/21(土) | 数式を検証できる | 60分 | ・これも業務で非常に使える機能 |
| 6/22(日) | 前章と合わせて総復習 | 60分 | ・今週は関数は出なかったものの、業務で使える知識が満載で非常に有意義な勉強になった |
VLOOKUP #N/A エラーとの戦い
AIのGeminiにExcelでよくあるエラーの一つ、VLOOKUP関数で発生する「#N/A」エラーのデータを作ってもらって、エラー解決へのプロセスを一つずつ見ていきましょう。
用意するデータ
「商品リスト」、「売上管理」
「売上管理」表に、VLOOKUP関数を入力して「商品リスト」表から「商品名」と「単価」を参照します。
エラー解決への5つのステップ
そのままVLOOKUP関数を最後までドラッグすると･･････、
このようにエラー表示「＃N/A」が出てしまいます。
赤枠の部分がエラーになっているセルです。
セルの左上に緑色の三角（エラーインジケーター）が表示される場合もありますが、設定によっては表示されないこともあります。
#N/Aエラーとは、一般的に「参照する値が見つからない」場合に発生するエラーです。VLOOKUP関数では、検索値が参照範囲内に存在しないことを意味します。
さて、この「#N/A」エラーが出た時に、どのように原因を特定し、解決していけば良いでしょうか？
1.エラーメッセージの確認と関数の再確認
- まずは表示されているエラーメッセージ「#N/A」を確認します。これにより、「値が見つからない」という方向性で原因を探ればよいことがわかります。
- 次に、エラーが出ているセルのVLOOKUP関数を確認します。セルをクリックして、数式バーに表示される式の引数（検索値、範囲、列番号、検索方法）に間違いがないか、パッと見で確認します。
- エラーインジケーター：セルの左上に出てくる緑三角
- エラーチェックオプション：セルの横にポップアップされる黄色三角
2.検索値の確認：本当に正しい値？
今回エラーが出ているセルで検索している値は「C005」です。この「C005」に余計なスペースが入っていないか、全角半角の違いがないかなどを確認します。
目視では分からない場合もあるので、隣のセルにLEN(検索値のセル)で文字数を調べたり、TRIM(検索値のセル)で余分なスペースを削除してみたりするのも有効です。
3.参照範囲の確認：検索値は範囲内に存在するか？
- VLOOKUP関数の参照範囲（例：
表「商品リスト」の!$A$3:$C$8 ）を確認します。 - 「C005」が、実際にその参照範囲内に存在しているかを、元データ「商品リスト」（参照元となるリスト）で確認します。今回のケースでは、参照元のデータリストに「C005」という商品コードが存在しなかったことが判明しました！これが「#N/A」の原因です。
4.列番号の確認：正しい列を参照しているか？
もし検索値（この場合”C005”）が参照範囲内に存在しているにも関わらず #N/A が出る場合は、VLOOKUP関数の引数で列番号が間違っていないかも確認します。例えば、商品名が2列目にあるのに列番号を「3」と指定していたら、当然見つかりません。今回は該当しませんでしたが、よくあるミスの一つです。
5.検索方法の確認：完全一致が必須！
VLOOKUP関数の最後の引数である「検索方法」は、「FALSE（0）」を指定して完全一致にすることがほとんどです。ここが「TRUE（1）」になっていると、近似値で検索されてしまい、意図しない結果や #N/A が出る場合があります。ここも確認します。
解決！そして得られた大きな学び
今回のケースでは、参照元のデータリストに「C005」の商品コードが登録されていなかったことが原因でした。元データに「C005」の情報を追加することで、無事に「商品名」と「単価」が表示されました。
この一連のプロセスを通じて、エラーが出た際に闇雲に探すのではなく、体系的な手順で検証することの重要性を改めて実感しました。
【コラム】#N/Aの謎を解き明かせ！公式ヘルプが示す真実とは？
Excelを使っていると必ずと言っていいほど出会う#N/Aエラー。皆さん、これって何て読んでいますか？「ノーアサイン」？それとも「ノットアベラブル」？
私は、「エヌエー」って呼んでいました。（そのまんま(笑)）
今回この記事の執筆にあたって正しい情報をお伝えしようと色々と調べてみたところ思わぬことがわかりました。
このエラーの呼び方、ネット上でも様々な説が飛び交っていて、どれが正しいのか混乱してしまいました。大きなサイトでもそれぞれ異なる呼び方を断言しているのを見ると、情報の正確性って奥深いな、と感じずにはいられません。
「N/Aは「Not Available」または「Not Applicable」の略で、「利用可能な値がありません」という意味です。」
とか、
「参照先のセルに値がないために#N/A（読み：ノー・アサイン）というエラーがでているのです。」
などと、それぞれ言い切って書かれています。
この#N/Aエラーについて、Microsoft Excelの公式ヘルプにはっきりとした記述がありました。
NA関数の説明として、
#N/A is the error value that means “no value is available.”
と明記されています。
つまり、#N/Aエラーは「Not Available（ノット・アベラブル）」の略であり、「利用可能な値がありません」という意味なのです。VLOOKUP関数などで検索した値が見つからない場合にぴったりの表現ですね。
ではなぜ、「ノーアサイン（No Assign）」や「ノットアプリカブル（Not Applicable）」といった呼び方もあるのでしょうか？これは、英語の「N/A」という略語が文脈によって複数の意味を持つこと、そしてExcelが普及し始めた初期に、特定の教育者や書籍によって特定の呼び方が広まり、それが定着してしまったという背景があるようです。
機能的な意味としては「値がない」「該当しない」「利用できない」といった意味合いはどれも似通っているため、厳密な区別がされずに情報が広まってしまったのかもしれません。
今回、この小さなエラー記号一つから、情報の真偽を見極める大切さを改めて感じました。公式情報を自ら確認するプロセスを通じて、MOSエキスパートの学習は、単なる機能習得に留まらず、そうした情報リテラシーを高めるきっかけにもなるのだと実感しています。
どんなエラーにも効く！共通の検証ステップ
今回のVLOOKUP #N/A エラーの解決を通じて、どのようなエラーにも共通して使える検証のステップが見えてきました。
- エラーメッセージを冷静に読み解く：まずは表示されたエラーが何を意味するのかを理解する。
- 数式（関数）を確認する：設定されている引数や参照範囲に誤りがないか確認する。
- 入力値を確認する：検索値や参照元のデータに、余分なスペースや表記ゆれがないか確認する。
- 参照元（元データ）を確認する：参照しているデータが正しく、かつ期待する値が存在するか確認する。
- 関連するセルをトレースする：もし複雑な数式であれば、「参照元のトレース」機能などを活用して、計算の過程を視覚的に追う。
- 切り分けを行う：エラーが出ている数式の一部を分解したり、新しいシンプルなシートで再現してみたりして、どこに問題があるのかを特定する。
これらのステップを踏むことで、エラーの原因を効率的に特定し、解決に導くことができます。
これで怖くない！主要エラーの種類と対処法
MOSエキスパートの学習では、VLOOKUPの #N/A 以外にも、様々なエラーの種類と対処法を学びました。いくつか代表的なものを紹介します。
#DIV/0!：0で除算した場合に発生します。
対処法：分母が0にならないように数式を修正するか、IFERROR関数などでエラー表示を制御する。
#VALUE!：関数や数式で、引数の種類（数値、文字列など）が正しくない場合に発生します。
対処法：引数に指定しているセルのデータ型を確認し、正しい値にする。
#REF!：セルの参照が不正になった場合に発生します（参照先のセルを削除してしまった場合など）。
対処法：参照を修正するか、削除したセルを元に戻す。
#NAME?：Excelが認識できない関数名や定義されていない名前を使用した場合に発生します。
対処法：関数名が正しく入力されているか確認する。
📚 私のMOS Excelエキスパート学習方法（最新版）
週を重ねるごとに、少しずつ学習方法も変わってきています。
これまでの学習方法に加えて加筆していきますので、過去投稿と同じ部分もありますがご参考までにどうぞ。
1. 朝のインプット：テキストで確認と動画視聴
朝、まずは「FOM出版 よくわかるマスター」のテキストで今日学ぶ「章-節」を改めて確認します。
どんな関数を学ぶのか？どんな機能を学ぶのか？など、その日の学習範囲を把握します。
私がお世話になっている動画はこちら
朝夕の通勤電車の中で、YouTube動画を見ます。
MOSExcelエキスパートの動画は、アソシエイトに比べると本当に少なくて残念なのですが、私は、「オンラインパソコンスクール♥キャリアデザイン」さんの「MOSエクセルエキスパート出題範囲完全網羅講座/Excel2019【データ無料】」を主軸に見ています。
ただ、こちらの動画は動画名からもわかる通り「Excel2019」編なので、私が受けようとしている「Excel365」とは範囲が若干異なります。
その場合は、個別で解説をしてくれている動画を見て補完学習しています。
2. 注目のYouTubeチャンネル：ExcelドカタCHさんと、じゃぱそんさん
特にExcelドカタCHさんの解説動画はとても分かりやすくてオススメです。「Excel職人」の筆字が渋い！
Excel動画解説には人それぞれ特徴があって、視聴者の方も自分に合う動画、合わない動画があると思います。なのでほかの動画を批判するようなことはしませんが、私的にはこの「ExcelドカタCH」さんの解説が一番わかりやすいです。お世話になります。
試験対策のアドバイスが満載のアソシエイトの試験勉強でお世話になった「じゃぱそん」さんのYouTube動画。
この章の動画は２分弱しかありません。なぜ？
じゃぱそんさんは、「試験に特化」したポイントをたくさん教えてくれます。私はもちろん合格はしたいですが、同時に業務でもしっかり使いたいので、時間を出来るだけかけて学ぶように心がけていますが、MOS試験はとても癖があるので、じゃぱそんさんのアドバイスやポイントは非常に役立ちます。
じゃぱそんさんの動画は音声が小さめです。なのでこの動画を見ている途中に入るCMや、別の動画に切り替えた時に、同じ音量のままだとびっくりする音量が流れるので注意(笑)
3. 夜のアウトプット：テキストと問題演習、AI活用
家に帰ったら、YouTube動画で見た範囲をテキストを使って勉強して、問題を必ず解きます。
そこですんなり解けなかったり、納得できないところがあったらAIに問題を作ってもらって解きながら勉強しています。
AIに問題を作ってもらう方法は、こちらの記事で詳しく書いています。
使うAIによって個性が出ていて面白いですよ。
MOS Excel エキスパート独学記 #3 | AI活用で効率復習！XLOOKUP関数の問題演習とAI比較
💡 今週の気づきと今後の課題
今週のトラブルシューティングの学習は、関数を学ぶ以上に実務で役立つスキルだと感じました。これまではエラーが出ると焦ってしまい、一つ一つ手探りで原因を探していましたが、今回学んだ体系的な手順を踏むことで、落ち着いて、そして効率的にエラーを解決できるという自信がつきました。
Excel業務における「問題解決能力」の基盤ができたと実感しています。今後は、たとえ見慣れないエラーに遭遇したとしても、今回学んだステップを思い出し、冷静に対処していきたいと思います。このスキルを活かして、より正確で効率的なデータ処理を目指していきたいです。
📝 今週のまとめと次週への抱負
自分で作ったものは元より、他人が作ったブックを引き継いで作業をする場合などは特に構造がわからないのでエラーが出た場合は、原因追及をしっかり出来るようにスキルを磨きたいと思います。
実際に先週の仕事中にいくつかエラーの原因を追究してきちんと動くようになったり、不要なリンクを削除したりと改善されたことがいくつもありました。
MOSの資格はもちろん取得したいですが、こうして日々の業務に活かせるスキルを学べることは私にとって大きな前進です。
この学習スケジュールは毎週末に一週間の記録として連載していきます。
では、また来週。
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